2012年01月13日の記事

もっぱら感じていること


某芸大の講師をさせていただいている関係でデザイン学部から卒業制作展発表会の案内が届いた。毎年、作品を見るのを楽しみにして出かけている、いつも学生の発想の面白さに驚くのだが、作品を見ると年々「カタチを作ることにエネルギーが使われてしまって、大事な原点が充分に追えないでいる」作品が多くなっている傾向にあるのが気になっている。
で、案内状を読みながら思い浮かんだ事を記しておこう。

企画、策略、戦略、画策、攻略、方法、アプローチ、手法…
企画の仕事をしているが、いつしかこういうものにあまり興味を持たなくなった。
上に並べた言葉はすべてそれ自体が目的じゃない。
だからこれらの言葉に元来魅力はない。
お手伝いをしている芸大でも学生にこう教えている。
「企画に走るな。企画に酔うな。企画バカになるな。企画は目的じゃない、原点に帰って目的を知れ。」
商売でも何でもそうだと思うけど、原点で大事な事柄は、
たいがいはシンプルにストレートにこのことだ。
「人は何に喜び、何に感じ、何で満足を得るか。人の欲望とは何か。そしてそれを与えることができるか。」
それがすべての羅針盤なのだ。
それらが十分に具体的に研究されていなくては何も始まらない。
特に「感じる」という部分が重要だ。
理屈で売れる商品は本物じゃない。理屈で動くのはお役所とマスコミだけだ。
究極のドメスティックは「個人の喜び」であって、それが社会の基本的原動力だ。
自分自身も
生きる事のどこがうれしいことなのか、
仕事のどこが楽しいのか具体的に理解できていないと企画の仕事をする資格はない。
社会も町も会社も個の集合体に他ならない。
もっぱら個の喜びに興味を持っていること。もっぱら感じていること。
いつだって、これが大事なことなのだ。