2010年09月22日の記事

座布団に座る電話


 この旅館の部屋で電話がどこにあるのかずいぶん探してしまった。このように電話にはきれいな和柄の布カバーが覆ってあったのだ。ご丁寧な事にこの受話器の下には座布団も敷かれている。受話器の後ろにあるのがこれまた布カバーで覆われたティッシュケースである。これらはホコリを避けるとか振動を緩和するとかいった機能性ではなく、積極的な美意識だと思う。トイレのペーパーホルダーなんかにもよくカバーがしてあったりするが、やたら布で隠したがる日本のこの文化はいったい何なの?意味あんの?一説には、近代的製品デザインが日本家屋にそぐわないので視覚的に消す意味がある、らしい。そうかな。ビミョーなニュアンスの文化だな。子供の頃、テレビのブラウン管の前には布カバーを垂らしていた記憶もあるが、あれはホコリを避けるというより高価な品を大事大事と包む意味があったような気がする。そういえば、テレビってちょっと前の日本家屋には実に似合わない異質な物体だった。なので、カラーテレビができたばかりの頃の高級テレビは木製の家具調フレームに入っていて名前も「高雄」とか高尚な製品名が付いていたなぁ。あの頃はテレビという一足飛びの近代に家屋のデザインが追いついていなかったのであるなぁ。今、木目の家具調液晶テレビってあるのかなぁ?