2010年05月05日の記事

病院へ行こう:病院食グルメ

入院生活の最大イベントと言えば「食事」である。食事の為に一日を過ごしているとも言える。しかし、心臓疾患系の食事、いわゆる心臓食は、その楽しみがばっさりと削られている。

「塩気がぜんぜん無い」のだ。

塩分は血圧を上げ、心臓に負担をかけるからである。もちろん元々がコレステロール値の高い血液だったわけで、動物脂肪系の食べ物もほとんど出てこない。朝には味噌汁が付くが、全く塩気のない味噌なんてどこで買えるのだろうと首をかしげながら、味気のない食事を繰り返すのだ。もちろんこういった献立は一生懸命工夫されているのだろうし、かすかな素材の味をさぐる食事はある種グルメな食事でもあるが、さすがに何日も続くと滅入ってくる。ベッド横のサイドテーブルに海苔の佃煮やらふりかけやらを隠し持つ患者の気持ちが痛いほどわかる。それでも、究極の薄味にやがて慣れてくる。添えられたフルーツの酸味甘みが輝きを放ってくる。退院後に口にする娑婆の食事がいかに塩気の多い食事だったか実感する事になるのだ。しかし、食べ物の誘惑に負けず、病院食並みの食事を日常で保つのはむつかしい。僕が食べたいものはすべからく心臓に悪いとされているものばかりなのだ。