2010年03月25日の記事

セリの香り

セリ(芹)は僕の大好物である。なぜ好きなのかよくわからないのだが、セリのおひたしがあれば、ご飯何杯でもいける。さっと茹でたセリを刻み、醤油をたらして、そいつをアツアツのご飯に菜飯のごとくまぶして食べるのが好きである。脇役ではなくメインディッシュである。写真はカミさんが昨日スーパーで買ってきた松平産のセリであるが、スーパーで買ってくるような栽培もののセリは本当はダメなのだ。あの香り立つ独特の芳香が無いのだ。子供の頃、田舎の親戚の前に田んぼがあり、田んぼの畦や用水路の脇に天然のセリが生えていて、春先の光の中でそいつを採ってきて食べた経験が何度かあった。自然で採取したセリはちょっとつまむだけでも鼻の奥につんとくるぐらいの芳香があった。あの香りには奥行きと幅があって、ある種濃厚という表現があてはまる。食べすぎると強いから鼻血が出るなんて言われた。「菜っ葉のくせに」と子供心に思いつつ、その悩ましい香りの麻薬性に引きずり込まれたのだった。このセリひとつとっても、玉子の味と同様、今は人工的に萎えてかすんで、本来の強烈な個性を失っている事に気づくのだ。