2009年11月26日の記事

50年という瞬間

coffee

喫茶店で座っていると後ろの客が何やら同僚に話しかけていた。

「俺はもう53になるけど、人生って終わってみると短いなぁ。」

えっ?僕は彼より年上なので、彼の尺度によれば僕の人生も終わっている事になる。確かに50年は短かったような気もする。若い頃は10年がとてつもなく遠い時間に思えたが、ここまでくると思い出や記憶は相当に圧縮されていて50年前も20年前もそれほど変わりはない。コーヒーに入れたクリームを回しながら道行く人を見た。

悠久の地球の歴史から見れば、ここに見えている人々の人生の時間など瞬きにも満たない短い時間であり、あの人もこの人も、ベンチに座るばあさんも、母親に手をつながれている保育園児も、新聞を飾るオバマ大統領も、強盗殺人犯も、あなたも私も、この瞬間に偶然居合わせた愛しき隣人であり、同じ船に乗った仲間である。50年前の文化大革命も、45年前の東京オリンピックも、30年前の月面着陸も、20年前のベルリンの壁崩壊も、すべてはその一瞬の中の出来事である。20年後の計画であろうが、100年後に向けた政策であろうが、全ては一瞬の次の一瞬に過ぎない。

僕の人生が終わったかどうかは知らないが、今日の瞬間を飲み干そう。