2009年05月06日の記事

八寸

 とある料理屋で出た「八寸」。八寸は約24センチである。八寸は懐石料理などの前半に出るいわばオードブルの皿的なものだが、もともとは茶会席の料理で八寸の杉板を用いたものだったとか聞いている。季節を愛でる小さな逸品が並んでいるとうれしいが、流行りの形だけの懐石料理みたいなものだと、単にままごとみたいなものであったりする。しかし、ここの八寸はうれしかった。春先のものだが、鰹の酒盗と長芋の和え物、ナマコ酢、いわしのショウガ煮、菜の花のサーモンと鯛の刺身巻き、いなり寿司……。んかーっ!酒だ酒ぇーっ!年を取るとこういうものがいいねぇ。ほだら?…とここまではよかったが、この後出て来た料理も小さく、皿が一寸、二寸というミニアチュールものだった。後で振り返るとどれがメイン料理だったのかさっぱり思い出せない。ずっと八寸続きのサンプル試食会のようであった。