宅配は、ネコである。

 名古屋の地下道で見た広告。この言葉を思い付いたコピーライターはやったと思ったかもしれない。どこの広告かはもうおわかりだろう。ほだら?「宅配は、ネコである。」という言葉に、通りすがりの僕はすぐに反応した。しかし、待てよと思った。「吾輩は猫である」という夏目漱石の処女作の名を、今どれだけの人が瞬時に連想するのだろうか。学校教育では今もこの夏目漱石の作品は説かれているのだろうか。子供の頃この作品を初めて呼んだ時、僕はずいぶん新鮮な印象を受け好きになった。久しぶりに読み返してみようかという気分になった。実はこの時、僕が抱えていた封筒には、とある会社のカタログの表紙デザインが入っており、その表紙には「猫」があしらってあるのだった。クライアントから「うちのカタログになぜ今、猫なのか説明してほしい」と言われ、カタログにある商品と猫との関連において、ユーザー側の反応を推測する説明をしてきたばかりだったのだ。その表紙が採用されるかどうか、「心配は、ネコである」。

コメントを書く

ほっかにログインしてコメントを書く