開高健58歳。


 開高健のファンである。広大な言葉の森を自由に飛び回りながら、豪快かつ繊細に表現する氏の表現力には感嘆させられた。氏は若き頃、サントリーのコピーライターだったが、正に日本が生んだ天才コピーライターでもある。彼の初期のルポタージュ「ベトナム戦記」では、ろくな情報がなかった当時、氏の鋭い目がこの戦争の本質を照らした。ホーチミンを訪ねたとき、彼がルポを執筆したサイゴン川沿いのマジェスティックホテルのスカイ・バーに行き、彼をまねてお酒を飲んだりした事もあった。様々なエッセイで左脳も右脳も刺激してくれた彼は「オーパ」で大いなるロマンを僕らに与えてくれた。そして自ら不健康な小説家だと語っていた彼は1989年に亡くなった。当時はそれなりの歳になったいい親父さんと思っていたのだが、このとき彼は58歳だったのだ。そう思うと今59歳になった僕は何なんだろう感慨にふける。さて、僕はこれからどうしよう。氏に聞いてみようか。「風に訊け」。

コメントを書く

ほっかにログインしてコメントを書く