放下着


 テレビを観ていたらロケ先の茶室の掛け軸にこの三文字が書いてあった。「放下着」…。はて、文字が文字だけに何のことだろうと首をかしげた。そして「下着を放つ」つまり「裸になれ」という事じゃないだろうか、ふーむ、裸の心で茶の湯を愉しめとは粋であると勝手な解釈でうなづいた。だが全く僕の素人解釈は間違っていた。この「放下着」という文字は「ほうげじゃく」と読み、禅の言葉なのだそうだ。「放下」が捨てることで「着(著とも書く)」は命令形なのだそうだ。つまり「捨ててしまえ!」という意味。「積み重ねてきた何もかもを一切捨て去りなさい。その時に光が見える」というような意味らしい。ふーむ、ここまでいかないが、僕も仕事で地元をあちこち出歩いていた頃の関係を一切捨て去りたいと思った事があった。そして、自宅でひっそり仕事をするようになった。ひきこもり歴6年目ぐらいになる。今は好きでやっているこの仕事もすっかり捨て去ったら、どんな真っ白な自分が見えるだろうだろうと興味を抱くようになった。「一回、全てを捨て去る…」これって人生で何度かはやってみる価値があるのでは…。自分が後生大事に抱えているもの、自分が思うほど価値のあるものじゃないんだよな、実際…。ちなみに写真のバックにあるのはポルトガル空港のトイレにあった、ブリーフパンツのアート。もちろん放下着とは関係がない。

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