押しの強さ

僕は子供の頃「押しが弱い子供」と親に評価されていた。言いたいことを口に出して言えず、仲間の後ろの方で隠れているような子供だった。ところが中学生の頃、どういうわけかそのことが妙に損な気がして、急に大きな声で発言するようになった。性分としての気の小ささは変わっておらず、なにかぎこちなく、時にはほら吹きのような印象を与えてしまっていた。しかし企画デザインの仕事上では、自分のやりたい事を事前の会議などでちゃんと自信を持って説明できないと仕事が始まらない。そのことを身をもって体験した。「デザインは口である」。それを美大の学生にも教えている。「押しが弱い」「控えめである」「謙虚である」は日本人の美徳のようだが、日本のサッカーチームを見ていると、最近は徐々に「押の強さ」を身につけて来ているような気がする。でないと世界には通用しないのだ。本田選手の強気の発言なども、時代の潮流のような印象を持つ。ハイテク技術幻想を拠り所にしている日本のビジネスも、そして戦略的思考があまり感じられない日本の外交政治も、現場でぼんやりしていると、世界の圧力に、そして強引でしたたかな中国や韓国ビジネスに足元から崩されてしまいそうな危険も感じる。日本は「押しの弱い子供」のままでずっとやっていけるのだろうか。

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