病院に行こう:救急治療室

医師達は僕をベッドに寝転ばせるや否や、全ての衣類を複数の手ではぎ取り、生まれたまんまの姿にさせた。医師と看護師たちのやりとりが聞こえる。「酸素マスク付けました」「心電図OK」「点滴入れます。ちょっと痛いですよ」「下の方の毛を剃ります」「尿管にチューブ入れます。消毒します」「おむつ巻きます」「シート載せました」……。「おいおい、これから俺はどうなるのだ」。ということで、救急治療室からすぐさま緊急手術室へ運ばれる。といっても心筋梗塞の場合はまずは、カテーテルという細い線を血管に入れて心臓まで到達させ、造影剤を使って心臓の血管の状態を映し出すのである。で、患部が見つかれば、そのままカテーテルで治療してしまうのが一般的である。動脈にカテーテルを入れるには腕、太股、肩のどれかだが僕は太股から。部分麻酔が効いているので最初血管に線が入って行く違和感はあるものの、痛くは無い。僕は「うまいこと頼んます!」と医師に声をかけた。僕の左にはモニターがいくつかあって、僕自身自分の心臓の血管が確認できる。医師達は複数いて若い。とりかわす会話も若い。「ねぇ、もうちょっと前がいいんじゃない」

「理想を言えばここだけど、妥協点というのもあるからね」

「こっちはどうなのかな?」「こっちもいっちゃってるかな?」「心不全を起こすような心臓には見えないけどな」…、モニタールームで検討を始めた先生達を待って、看護師たちが言う「ばかに時間かけて協議しているわねぇ」「患者さんをベッドに移し替える時、先生達も来て手伝ってくれないとこまるわ」。全てが聞こえているだけになかなリアルである。君たちに任せるしか無いが、たのむぜ。

コメントが2個あります

  1. よっぺー より:

    ちょっとやだ〜。ご飯中にこの写真見ちゃった。おげー。
    私の友達から聞いた話だけど、
    知り合いがなんかの手術を受けて、
    全身麻酔からうっすら覚め始めた時に、
    自分の体をベッドに移し替える看護士さんたちの声が聞こえたんだって。
    「せ〜の。うっ!おもっ!何でこんなに重いの!?etc」
    申し訳ないと思いつつも体も動かず、
    口も開かず、耳のみ聞こえる状態で虚しかったそうな。

  2. kiddagan より:

    いかんかったかね。
    自分につながったチューブを走る自分の血液というのは、僕にとってはなかなか愛おしい存在。
    しかし、他人から見たら気持ちわりわな、そりゃ。
    僕も言われた。
    「私たちが上げるので楽にしていて下さいね」「う!おもっ!」
    死んだアザラシのように横たわった患者を持ち上げるのは大変だとは思うよ。

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